賃貸契約の初期費用一覧。見積もり書の見方から安くする方法まで解説します。

初期費用一覧

賃貸物件を契約する際の初期費用の相場は、家賃の3~6ヶ月分と言われています。

しかし、なぜこんなに高いのでしょうか?

不動産屋に見積もりを貰っても、「保証会社費用」や「消毒代」など、必要なのかどうかも分からない項目がたくさん出てきます。

今回は、初期費用としてかかる各項目の説明と、いらないものは省いて安くする方法もご紹介していきます。

1.必須の費用

どの賃貸物件を契約したとしてもほぼ必ずかかる費用です。これらの項目だけで、家賃の2~5ヶ月分が初期費用として必要になってきます。

敷金

敷金は、入居時にオーナーに預け入れて、退去時に返還(故意過失の補修費は差し引かれる)される預け入れ金の事です。家賃の2ヶ月分までであれば相場内でしょう。返還されるお金ですので、基本的には条件どおりに支払って良いと思います。

最近は敷金ゼロの物件も多くなってきました。

>賃貸物件の敷金と礼金の違い! 敷金は本当に返還して貰えるのか

礼金

礼金は、入居時にオーナーに支払いますが、そのまま返還されない費用です。家賃の0~3ヶ月分くらいが相場です。

礼金は、初期費用の中でも最も交渉しやすい費用のひとつです。物件を決定するまでに1度は、営業マンに交渉して貰いましょう。数万円の値引きは当たり前ですし、半額以上の割引も珍しくありません。

ちなみに、敷金礼金がもともとゼロの物件もあります。

>敷金礼金ゼロ物件の理由と、メリットデメリット

日割り家賃+翌月家賃

入居月の日割り家賃と、その翌月の家賃を初期費用として預かる物件が多いです。

・3月10日入居であれば、10日~31日までの22日間分の家賃+4月分家賃
・3月31日入居であれば、1日分の家賃+4月分家賃

となるため、月の前半の入居の方が、総額は高くなりやすいです。

※月初の1日入居であれば、その1ヶ月分の家賃だけで大丈夫です。

日割り共益費(管理費)+翌月共益費(管理費)

日割り家賃と同じ考え方で、共益費も「当月分日割り+翌月分」が最初に必要になります。

仲介手数料

こちらは、オーナーではなく、物件を紹介した不動産会社が取得する手数料です。
不動産会社ごとに金額が決まっていて、「家賃の0.5ヶ月~1ヶ月分+消費税」が相場になります。

礼金と同じく、値引きしやすい費用ですので、一度は安くならないか交渉してみましょう。

>賃貸契約の仲介手数料の交渉①|値切れる物件、値切れない物件について

2.多くの物件で必要な費用

火災保険料

大和ハウスの賃貸など一部の物件をのぞいて、ほとんどの物件で必要となる費用です。火災発生時のオーナーへの賠償と、ご自身の家財を守るための保険です。

2年で15000円~25000円くらいが相場です。少し手間をかけられるなら、下記の記事を参考にして頂ければ費用を半額程度にする事もできます。

>火災保険代を大幅に安くする方法~実践してみました~

賃貸保証料

家賃保証会社に加入必須の物件が非常に多くなってきました。連帯保証人、家賃保証会社のどちらも必須な物件も多いです。

>家賃保証会社とは? 審査や料金はどうなってるの?

保証会社の費用は、初回保証料(加入料)が家賃総額の30%~100%かかり、更に1年毎に1万円前後の保証会社更新料がかかります。

オーナーが法人ではなく個人の場合は、しっかりした保証人をつければ保証会社を外してくれる場合もあります。家賃滞納をしないなら借主には意味のない費用なので、一度外せるか相談してみても良いでしょう。

鍵交換代・カードキー発行手数料

鍵交換代も借主負担としてかかる事が多い費用です。

新鍵交換なら15000円~25000円ほど、鍵ローテーション(中古の鍵を使い回す)なら10000円~15000円ほどが相場になります。

最近多いカードキータイプの物件であれば、5000円前後で済みます。

ちなみに入居中に鍵を無くすと鍵穴ごと交換になるので、再度同額が必要になってきます。

一応鍵交換代も、「交換しなくて良いから無しにして」と相談する事は出来ますが、防犯上の観点からあまりおすすめは出来ないですね。(前入居者がこっそり合鍵を作っていたら、簡単に侵入されてしまいます)

クリーニング費用・退去時クリーニング代

退去時に必要なクリーニング代を、初期費用として先に支払う物件も多いです。

部屋の広さによりますが、20000円~40000円程度が相場になります。

この費用は交渉できる性質のものでは無いので、必要な場合は支払うしかないですね。退去時に請求される物件もありますが、その場合は見積もりには載ってきません。

3.物件独特の費用(あまり必要ない費用)

消臭代(消毒代)・抗菌代

基本的に任意で、室内に消臭や抗菌効果のある薬剤を散布して貰えます。費用は15000円~25000円程が相場です。

これは完全に必要ありません。ほとんどの場合、格安の薬剤が使われていて、残りは施工業者や不動産屋の利益になってしまうだけです。

そもそも消臭効果はたいして持続しないですし、抗菌効果も虫などには効果がありません。必要ないといってその分費用を安くして貰いましょう。

24時間サポート・駆けつけサービスなど

24時間電話対応をしてくれて、鍵のトラブルや水回りのトラブルなどに対応してくれるサービスです。

月額500円~1000円、もしくは2年で20000円前後が相場です。

1度か2度トラブルでサポートを頼めば元を取る事は可能です。一人暮らしの方や、いちいち修理屋を呼ぶのが面倒くさい方なんかは加入しても良いと思います。

ただし、水回りの修理も一時補修だけが無料だったり、部品代は別途かかったりするので、自分で対応(適切な業者を呼んだり)できるなら不要です。

そもそも賃貸物件の修理はオーナーがやってくれる事も多いですし。

エアコンクリーニング代

任意で、入居前にエアコンのクリーニングをしてくれます。10000円~20000円が相場です。

通常の入居前の清掃でもエアコンのクリーニングまでしてくれているところもありますので、そうじゃない場合は、お願いしても良いでしょう。

入居後にエアコンクリーニングをするのは結構大変です。

ただし、依頼する時は、きちんと内部までクリーニングしてくれるのかなど、施工内容も軽く確認しておくとベストです。

事務手数料・書類作成費用

堂々とこんな費用を請求してくる不動産業者もいます。

通常は仲介手数料に含まれているべき費用ですので、仲介手数料の他に「事務手数料」や「書類作成代」などの項目があれば、悪質な業者である可能性が高いです。

念の為理由を聞いてみて、納得いかなければその業者では契約しない方が良いでしょう。

町内会費

物件によっては、町内会費を請求される事もあります。

多くの場合、オーナーが入居者全員に町内会費を払って貰うよう決めています。なぜ強制なのかと思う事もありますが、月額200円~300円程度ですので、払っておきましょう。

4.まとめ

以上が賃貸契約の初期費用一覧になります。

物件を申し込む際は、なるべく早めに見積もり書を貰っておく事をおすすめします。そして、家に持ち帰ってからでも良いので、きちんと内容を確認しましょう。

賃貸契約は金額が大きくなりやすいので、ひとつひとつの費用を軽視しがちです。

しかし、きちんと見積もりを確認するかしないかで数万円以上の差が出てきます。

また、きちんとした業者は見積もり内容も分かりやすくシンプルになっています。もしこの記事に書いてないような費用があった場合は、その費用についてしっかりと納得のいく説明をし求めましょう。

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