賃貸物件に引っ越すときは、入居者様自身で、火災保険に加入しなければなりません。
このとき普通に契約していくと、貸主が指定した火災保険に加入する形になります。
ただしこの指定の火災保険は補償内容の割に保険代が高いです。単身で2年間12000円〜18000円、ファミリーだと20000円〜25000円くらいが相場でしょうか。
中には、管理会社などに紹介料を抜かれているものもあります。
貸主指定の保険を使わず、自分で選んで火災保険を契約すれば、半額以下の5000円~10000円程度の保険料とかなり安くなります。
今回ちょうど私自身が引っ越す事になったので、貸主指定の火災保険を使わず、自分で火災保険を選んで契約してみました。
結果、引越し前は貸主指定で18000円だった火災保険が、ほぼ同内容で、さらに特約をつけても引越し先では7530円とかなりお得になりました。
これは誰でも出来ますので、詳しくご紹介していきます。
目次
1.自分で火災保険に入っても良いのか?
貸主指定の保険を使わず、自分で選んだ保険に入ってもいいかですが、基本的には大丈夫です。
ただし、賃貸住宅用の火災保険(賃貸用なので、正確には家財保険という商品になります)に入りましょう。この中に含まれている「借家人賠償責任保険」が賃貸では必須になります。
「借家人賠償責任保険」とは、簡単に言うと入居者が建物に損害を与えてしまった時に、その賠償として貸主に保険金がおりるものです。
入居中に起きる事故から建物を守るために、貸主としては必ず加入していてもらいたい保険になります。
さて、自分で選んだ火災保険に加入する場合は、「お部屋を申し込む時」もしくは「入居審査に通った時」に、自分で火災保険に入る旨を貸主に予め伝えておく必要があります。
たまに断られる事もあります。法律的には自由に選ぶ権利がありますが、もし駄目と言われた場合は素直に従っておきましょう^^;
了承を得られた場合は、契約書類を提出するときに「火災保険証券のコピー」も一緒に提出すればOKです。
2.どんな火災保険に入れば良い?
各社から、賃貸用の火災保険が出ていると思いますので、自分にあったものを選ぶと良いでしょう。
しかし保険は、もしもの時にきちんと支払って貰えるかが大事です。なるべく大手の損害保険会社から選ぶのが良いと思います。
賃貸の場合、建物自体の保険は貸主が入っているので、「家財保険」という、入居者の家財を守る保険に入ります。
保険会社を選んだ後は、補償内容を決めていきます。保証内容も自分で選べるので、ご自身の生活スタイルにピッタリあった保険にカスタマイズする事が出来ます。
2-1.家財保険の補償額を決める
もし火災などが起きた場合に「家族全員の家財をいちから買い直した場合にいくら必要か」を基準に、家財保険の補償額を決めます。
この補償額があがれば、掛け金も高くなるので、単身の方で300万円、ご家族の方で400~800万円くらいで十分だと思います。(私は、今回400万円のものに入りました)
家財にお金をかけられている方や、特に荷物の多い方は少し多めにしておきましょう。ただし、この補償額によって火災保険料が主に変わってきます。
2-2.借家人賠償責任保険をつける
賃貸用の保険であれば自動で付いていると思いますが、念の為確認して置いて下さい。貸主に賠償するための保険ですので、補償額も相場の1000万円 or 2000万円で良いでしょう。(筆者は1000万円にしました)
また、選べるのであればこの時にあわせて「修理費用特約」もつけておきましょう。偶発的な事故や侵入者によって家の修理が必要になった際に使える保険です。ほとんど掛金はかかりませんので、念の為つけておいた方が良いと思います。
2-3.個人賠償責任保険をつける
階下に水漏れさせてしまった時や、自転車にのってる時に相手にぶつかってしまった時にも使える「
個人賠償責任保険」もここでついでに入っておきましょう。掛金年間1500円くらいで1億円程度の補償がかけられます。
自動車保険やその他の保険で既にこれを付けている人は、重複しても意味ないので不要です。
2-4.地震保険を検討する
地震を原因とする破損や火災は、火災保険では補償されません。これについては、火災保険とあわせて加入出来る地震保険での補償になります。
引越し先の立地や災害マップなどを参考に、加入するか検討されると良いでしょう。
私は今回加入しなかったです。もし持ち家なら加入していたと思いますが、賃貸の場合は建物の復旧費用は関係なく家財のためなので、念のため入る、という気持ちでお考え下さい。
その他の風災や水災の特約もあると思いますが、引越し先の立地と特約を追加するのにかかる費用のバランスを見て、入ったり省いたりして下さい。
3.どこで加入すれば良いか?
私は今回、これで一番悩みました。
どの保険にするか決めて、加入しようとしましたが、ネットでは手続きが出来ないし、直営店のようなものも見つかりませんでした。
結局、必ず代理店を通して契約するという形しか受け付けていないようでした。
ただし、代理店を通すとなると仲介料を上乗せされたり、料金が高くなる心配などは無いそうです。
であればと、近くの「保険の窓口」という複数社の保険商品を一括で扱っているお店に行く事にしました。
4.保険の窓口で契約した内容
さっそく契約した保険内容を見ていきたいと思います。
今回契約したのは、損保ジャパン日本興亜の「THE 家財の保険」という賃貸住宅用の保険です。
3メガ損保と呼ばれる大手保険会社だったのと、「盗難補償」を付けたかったので選びました。
下記の1枚目の写真が引越し前の貸主指定だった家の保険、2枚目の写真が今回契約した保険です。
契約期間はどちらも、2年間です。火災保険料は[①引越し前が18000円][②今回の保険が7530円]と半額以下になりました。
補償内容も、「家財の補償額」「借家人賠償額」はほとんど同じですし、個人賠償の補償額が10倍の1億円に、更に盗難補償もついています。
もちろん盗難補償を抜けばさらに安くなりますし、家財の補償額をもっとあげても、[①引越し前の保険]と比べればかなり安くなります。
やはり貸主指定の火災保険は割高です。
実際に私の会社の管理物件は、火災保険紹介料として営業マンに2000円の売上が入ります。(少なくともその分は火災保険料に上乗せされているはずです)
5.まとめ
賃貸を契約する時の火災保険は、貸主に許可を得て自分で探して加入した方がかなりお得です。
自ら保険屋さんに行って内容を自分で決める手間がかかりますが、補償内容を自分用にカスタマイズ出来ますし、保険料も半額以下になるので、時間があるなら是非検討してみて下さい。
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