「賃貸契約の仲介手数料の交渉」の記事もこれで最後です。
前回までの記事はこちら
賃貸契約時の手数料は、何も知らずにただ「安くして」と、交渉をするだけでは、営業マンに強気に出られ、全く下がらない事すら有ります。
仲介手数料の仕組みや、交渉しやすい物件を見極める知識を得る事で、交渉を有利に進められます。
今回は、最大限の値下げをしてもらうために、最もベストな交渉の仕方とタイミングをご紹介します。
1.交渉の目標額を決めよう
まず交渉する前提として、目標額まで下がったら本当に契約する意思がある事が重要です。
「とりあえずいくらまで下がりますか?」のような、成約に結びつかなさそうなセリフでは、満足のいく値引きを引き出す事は出来ません。
安ければ安いほど良いとは思いますが、まずはいくらまで下がったらOKという目標ラインを決めて下さい。
仲介手数料の交渉に関しては、逆にその金額まで下がらなければ、即決せずに一旦保留にするくらいの強気で攻めても大丈夫です。
仲介手数料1ヶ月分の業者の場合、目標として
・交渉のしやすい物件 →仲介手数料が家賃の0~0.5ヶ月分以下
・交渉のしにくい物件 →仲介手数料が家賃の0.5~0.75ヶ月分以下
まで下げてくれれば十分でしょう。
そして交渉を進めながら、最終的に、「~~まで下がったらここに決めます」と値引きが折り合えば、契約の意思があることを伝えます。
そうすれば営業マンも、値下げさえすれば即契約、となるので精一杯応じてくれるはずです。
※注意点
営業マンも人間ですので、上から目線のお客様や、態度の悪いお客様相手にはあまり値下げをしたいと思わないでしょう。
仲良くなったお客様や、好感の持てるお客様に交渉されれば、快く値下げをしたくなるものです。
金額面では強気で交渉しながらも、相手への思いやりを忘れず誠実な態度で挑んだ方が、成功率は上がると思います。
2.交渉するタイミング
交渉のタイミングは、大きく分けて3種類あります。それぞれにメリットデメリットがありますので、ひとつずつ紹介していきます。
・序盤から交渉する場合
不動産屋に入って、早々に手数料の交渉をする場合です。
営業マンも、最初から手数料を交渉されているので、下げてくれやすい反面、どうせ手数料は値切られるからと、広告料の多い物件しか紹介してくれなくなります。
値下げは成功しやすいかもしれませんが、紹介される物件が少なかったり、それ相応の対応をされてしまう可能性があります。
・中盤で交渉する場合
資料上で物件を紹介してもらい、これから見学に行くという時、もしくは見学中に交渉する場合です。
序盤の交渉と違い、紹介される物件が少なくなる事はないですし、営業マンに交渉への心構えをさせる、という意味では悪くないタイミングです。
しかし、まだどの物件を選ぶか決まっていないため、最大の交渉幅はなかなか引き出しにくいかと思います。
相手の反応を見つつ、ジャブ程度の気持ちで手数料値引きを匂わせられれば交渉上級者です。(一般のお客様はそこまで意識しなくても大丈夫です笑)
・終盤で交渉する場合
物件の見学後、お店に戻った後のタイミングで交渉する場合です。やはり、一般的なこのタイミングが、最も値下げを迫れるでしょう。
中盤で一度手数料の話を聞いておいて、値引きの布石をうっておき、気に入った物件が決まった終盤のタイミングで、最大限の交渉をしましょう。
その際、注意点が2点あります。
1点目は、>賃貸契約の仲介手数料の交渉②|交渉しやすい物件の見極め方 でもお伝えしましたが、物件見学からお店に戻るまでの間に一度、気に入った物件をインターネットで検索しておきましょう。
そして、どれくらい値引きが出来そうな物件か、同じ物件が他に安く掲載されている情報は無いかなど下調べしておきます。
※私も経験があるのですが、その営業マンが知らなくても、インターネット上では家賃が5000円安く掲載されていて、家主さんに聞いてみると直近で家賃下げをOKしたばかりで、交渉すれば5000円安く契約出来る、といった事もありました。物件によっては、営業マンよりインターネットの情報の方が新しい、という事も有りえるため、物件名でのネット検索は必須だと思います!
2点目は、交渉の前に初期費用の明細を貰っておくことです。
賃貸契約には、仲介手数料以外にも様々な費用がかかります。まずは、その明細を見せて貰い、気になる費用について説明をして貰いましょう。
そして、その明細の中に仲介手数料の項目もあると思いますので、そこで交渉開始するのが、スマートな流れだと思います。ただしこれも、とりあえず~で明細を貰うのでなく、ここで契約したいのですが、という意思を見せている事が交渉には必要ですので、ご注意下さい。
3.値下げが折り合わなかった時の手段
しっかりと下調べをして、完璧なタイミングで交渉をしても、担当の営業マンによっては目標額まで下がらないこともあります。
そんな時は、気に入った部屋を一旦部屋止め(仮申込)をして1日考える、という手段もあります。
仮申込をしてる間であれば、他の人に部屋を取られる心配も無いので、家に返ってゆっくり考える事ができます。
そして数日間であれば、「そのまま契約する」や「再度交渉する」、「今回は見送る」など結論を先延ばしにすることが出来ます。
更に、あまりおすすめは出来ませんが、もうひとつ、最終手段があります。
交渉が折り合わなかった際、部屋止めをせずに、明細だけ貰って一旦お店を出ます。
その後、インターネットに同じ物件を掲載している別の不動産屋さんに行き、明細の見積金額を伝えます。
「もう見学もしましたので、この金額より安くしてくれればここで契約します」と言ってみて下さい。
別の不動産屋からしてみれば、物件の紹介も案内もしなくて良いので、仲介手数料を大幅に割り引いて契約しても元がとれます。恐らく、1件目の不動産屋より安くしてくれるでしょう。
ただし不動産業界では「被(かぶ)せ」と言って、タブーとされている方法なので、不動産業者や家主さんと揉める可能性もあります。最悪、「被せ」をするようなお客様は入居を断ります、と希望の物件に住めなくなる可能性もありますのでお気をつけ下さい。
もし不動産業者に貰った見積もりの件で不安な事が御座いましたら、ご連絡下さいませ! 不要な費用がないかや、適正な仲介手数料かなど、私の方で確認させて頂き、アドバイスさせて頂きます^^
4.まとめ
賃貸の契約時には、家賃や礼金、保証料や保険代など、多くのお金がかかってきます。
その中でも、仲介手数料は交渉しやすく、値引き額も大きいものになるので、交渉の差で数万円以上の得することも出来ます。
全4回と少し長かったですが、是非、今回と前回までの記事を参考にして頂いて、より良い条件で引越しをして頂ければと思います。