どの業種でもそうですが、独立、起業を決めてからやる事は非常にたくさんあります。
不動産業はその中でも、宅建業免許(宅地建物取引業者免許)という国の免許が必要な業種のため、
さらに複雑になって来ます。
この記事では、私が実際に独立する際に必要だった業務を一覧でご紹介していきます。
不動産独立の流れ
1.開業エリアの選定
不動産はその名の通り「不動」な商品を扱うため、エリア選定が非常に大事です。
私の場合は、家主さんを多く知っているという事もあり、独立前より働いていた慣れ親しんだエリアに絞って店舗を探しました。
最終的には、候補は1駅のみ。
しかもその駅の「駅近」で「西側エリア(東側は飲食街のため雰囲気が少しごちゃごちゃしていた)」まで絞って探したため、店舗選びはかなり苦労しました。
2.店舗事務所探しと契約
不動産業は事務所が決まっていないと免許が降りないため、基本的に
「事務所契約」→「契約した事務所で法人登記」→「創業融資の申請(必要あれば)」→「宅建業免許の申請」
という流れになります。
一人で小さく開業する場合などは、持ち家の1室を使って免許申請も可能ですが、事務所の独立性という要件などもありますし、来店される必要のある不動産仲介には不向きかと思います。
私の場合も、お客様に来店頂く必要があるので、まず店舗事務所を契約する必要がありました。
ちなみに店舗事務所の契約までには、
「見学」→「申込」→「審査」→「契約書押印」→「物件引渡」
とそれなりに手順が必要ですので、2週間~1カ月くらいはかかるかなと思います。
3.契約した事務所で法人登記
事務所が決まったら、その住所で法人の登記をします。
私は国金から創業融資を借りるつもりだったため、その順番が非常にややこしかったので、少し詳しくご紹介させて頂きます。
先に結論から最善の流れをお伝えします。
①事務所の審査が承認になり、借りられる事が確実になったタイミング(賃料発生日や契約開始日が到来していなくても良い。)で法人登記
厳密には契約開始日前に法人登記をするのは少し早いのかもしれませんが、国金に電話確認もした所、「創業融資がおりないという可能性もありますので、私共としては、事務所の費用を振り込む前に融資申請した方が良いのではないかと思います」との解答でした。
事務所の家主側にも確認しましたが、契約書に捺印が済んでいれば法人登記しても良いよという解答でした。(この辺は家主さんの考えによるかもしれません)
②法人登記が完了したら国金に創業融資の申請をする
不動産業は免許が必要な業種のため、会社設立前に創業融資の申請をする事は出来ません。(他業種なら個人事業主で申請も出来るし、特に会社より不利という事もないそうです)
申請はこのタイミングで出来るのですが、最終的には宅建業免許の取得が確定してから融資がおりるそうなので、入金はまだしばらく先になります。
③事務所の契約と入金、宅建業免許申請の準備をする
先ほどの国金さんの解答と矛盾しますが、宅建業免許の取得のためには事務所内の写真(固定電話などの設備が入った状態の)が必要なので、このタイミングで事務所の契約を済ませる必要があります。
また創業融資を借りる際には自己資金といって、ある程度の貯金があるか見られます。
要件で言うと創業資金の10分の1あればいいのですが、実際は自己資金の2~3倍程度までしか融資が降りない事が多いらしいので、自己資金が多いに越したことはないのです。
そのため、創業融資が降りる前に自己資金を使って事務所の初期費用を払うことに抵抗を感じていたのですが、国金さんに問い合わせた所、払った証拠があれば支払い済みの初期費用も自己資金として認められると言われ一安心しました。
↑この情報が特にネットでいくら調べても出てこず、皆どうしているんだろうと不安だった覚えがあります。
ただし、事務所を借りるためには100万円~300万円程の初期費用が必要になります。この費用を融資の前に払う必要があるため、やっぱりある程度自己資金は必要になります。
④宅建業免許の申請、保証協会への申請を同日に行う
ここから、創業融資の審査を待ちつつ、宅建業免許の申請、さらに保証協会への入会申請を同時進行ですすめていきます。
それぞれ1カ月前後の日数がかかるので、同時進行しないとかなりのタイムロスになってしまいます。
5.免許承認が降りたら営業開始
無事に宅建免許が降りたら、営業開始となります。
ポータルサイトの登録や、保証会社、火災保険の代理店登録など手続きを進めていきます。
宅建業法が絡むので、他業種の独立よりどうしても時間がかかってしまうと思います。
それでも、一度開業してしまえば5年に1回の宅建免許の更新はあるものの、法律を遵守しつつ自由に営業できます!
賃貸・売買の仲介だけでなく、管理やコンサルティング、査定やテナント事業など、様々な事を手掛けられます!
不動産は、基本的に在庫のいらない事業ですし、初めての独立にもおすすめの業種だと思います!