不動産営業マンが教える事故物件のすべて

事故物件画像

お部屋探しをしていると一度は事故物件について気にされると思います。

私自身、実際に賃貸の事故物件に住んでいたこともありますし、不動産営業として事故物件を紹介する事もあります。(もちろん、お客様に希望されてですが)

それらの実体験を元に、事故物件の見分け方や避け方だけでなく、メリットや本当にお得なのか、についてまで詳しくご紹介していきます。

実際に事故物件に住んでいた頃の話はこちら

不動産営業マンが、事故物件を探して実際に住んだ体験記 PART1

不動産営業マンが、事故物件を探して実際に住んだ体験記 PART2

1.事故物件の定義

俗に「事故物件」「訳あり物件」などと呼ばれる物件は、主には室内や建物内で人が死亡するなどの心理的瑕疵(しんりてきかし)がある物件の事です。

「白アリ被害」や「雨漏り」などの物理的瑕疵に比べて、心理的瑕疵は幅広く、事故による死亡だけでなく、殺人や自殺などの事件があった物件もこれに含まれます。

ただし、事故物件や、後述する告知義務の定義はあいまいです。

例えば、マンションの屋上から飛び降りがあった物件などは、事故物件に該当しますが、各部屋の住民やこれから引っ越してくる人にわざわざ告知される事はないでしょう。

さらに、築20年や30年のアパートなら、全ての部屋でその間、事件や事故が一度もなかったという方が珍しいかもしれません。

私たちは、知らず知らずのうちに(元)事故物件に住んでいる可能性があるのです。

お部屋を探す側としては、過去にどんな事件、事故があったのかなるべく情報をあつめ、それが許容できる内容かどうか見極める事が大事だと思います。

2.告知義務について

事故物件には告知義務があるから、契約前に教えてもらえるんじゃないの? と考えられる方もいらっしゃると思います。

「告知義務」とはなにも不動産契約に限った法律ではなく、「その契約をするかどうかの判断に関する重要な事柄は事前に告知しなければならない」という内容です。

さて、では何が重要な事柄なのか、というのがケースバイケースになってしまっているのです。

例えば、「1年前にマンションの別の階の部屋で自殺者が出た」などは新たな住民には告知されないでしょう。

他にも、

「その部屋で前の入居者が事故死した」はというのは明らかに告知義務がありますが、その後、次の入居者が住み、

「3年前に、前の前の入居者が事故死した」というのは告知義務違反にはなりません。

つまり、直近で、その部屋かまたはそのすぐ隣の部屋で事故や事件があったような明らかな場合しか告知はされないのです。

もちろん、我々不動産業者は、告知義務がなくても出来る限りそういった情報はお伝えします。

しかし、「数年前に事故死がおきたが、ニュースにもならなかった物件」や

10年以上前に殺人事件があったが、マンション名が変わっている物件(大きな事件や事故が起きたら物件名を変えるのは良くあります)」

管理会社やオーナーに聞いても何も教えてくれない物件(物件自体の価値が下がるため、基本的にはオーナーは事故の事は隠したがります)」

などは私達でも把握しきれないので、全てをお伝えする事は出来ないのです。

3.事故物件の見分け方

事故物件で最も嫌な事は、事故物件と知らずに入居したのに、後からその事実を知った時だと思います。

言い方は良くないかも知れませんが、

入居後もいくら調べても事故物件という情報は出てこず、

かつ住んでいて嫌な感じもしない、

という事であれば、例え過去にその物件で何かあったとしても、後悔する事なく住み続けられるのでは無いかと思います。

ここでは、後から後悔しないために、入居前に出来る事故物件の調べ方をご紹介します。

3-1.まずはネットで調べる

今の時代、ニュースになるような事件があった場合はネットに情報が残っています。

まずはインターネットで、「(物件名) + 事件」「(物件住所) + 事件」で検索をかけてみます。

これで何も出てこないようであれば、第一ステップクリアです。

次に、事故物件公示サイト(有名なのは大島てる)で、該当物件の住所を検索してみます。

事故物件公示サイトは、口コミで成り立っているためガセ情報も多いのですが、ネット検索では出てこない情報も多数載っています。

この2つの方法で情報が出てこないのであれば、今後もネットやニュース経由で後から事件を知る事はないでしょう。

3-2.オーナーや管理会社に確認して貰う

万全を期すのであれば、次はオーナーや管理会社に電話で確認をして貰う事も可能です。

ただ営業マンとしても聞きやすい内容ではないので、どうしても気になる場合や、そこだけ確認できたら契約したい、という最終確認のために使って下さい。

さらに、ここまではあまりしたことはありませんが、現地でマンションの管理人や、近隣の人に聞いてみる、というのも手段としては御座います。(そこまで怪しむならそもそもその物件を選ばない方が良いとも言えますが。。)

3-3.物件見学時の直感も大事

見学時に、建物や部屋に入った時に変な感じがしないか、というのも大事だと思います。

私は霊感などは信じない方ですが、入った瞬間、嫌な感じのする部屋というのは確かにあります。

また、感の鋭い方は玄関を開けた瞬間、「うわっ、ここ無理です」と言ってすぐ退出される事もあります。

こういったお部屋は、事故物件かどうかに関わらず避けるべきだと思います。

その他、事故物件にありがちな特徴をご紹介しておきます。

・理由なく物件名が変更されている。

・風呂場だけや、洋室1室だけがリノベーションされている。

・マンションなどで、あるフロアだけ空室だらけである。

・同じ物件、同じ間取りでもその部屋だけ家賃が極端に安い。

上記に当てはまれば事故物件というわけではないですが、事故物件は得てして上記の特徴になりやすいです。気になった場合は、なぜ1室だけリノベーションされているか、など理由を確認しておいた方が良いでしょう。

4.事故物件は安い?

事故物件(心理的瑕疵有り物件)として、大々的に募集している物件は、やはり相場より安いです。

だいたい1割~最大5割くらいはお得なのでは無いかと思います。

ただし、

告知義務に該当しない物件(事件の隣の部屋など)は安くならなかったり、

最初の2年間だけ安いといった契約も多いので(その次の入居者には告知義務が無くなるため)

ご自身のニーズと合致しているかきちんと確認して契約する事が大事です。

5.まとめ

私自身、事故物件に住んだ事がありますし、相場より3割~5割安ければ十分メリットはあるかと思います。

この家賃でこのグレードの部屋は他にない、というレベルの部屋に住めるのは非常に得した気持ちになります。

実際、不動産業界で事故物件に住んでる人は多いです。相場を見る目があるぶん、余計に事故物件がお得に見えてしまうのかもしれません。

ただし、やはり友達を呼びにくかったりとデメリットもありますので、良くご検討頂いた上で、選択肢のひとつに入れて頂ければと思います。

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