賃貸物件を契約する際に「消臭」や「消毒」、「抗菌」サービスを勧められる方が多いと思います。
1万円~2万円程料金がかかるわりに、どんな内容なのか、本当に効果があるのかさえ分かりづらいサービスと思います。
今回は、実際に消臭現場に同行した事もある不動産営業マンの立場から、「消臭・消毒・抗菌」といったサービスが必要なのかどうかをご紹介します。
目次
1.消臭・消毒・抗菌の違いとそれぞれの効果とは
不動産業者によって、サービス名が「消臭サービス」「消毒」「抗菌施工」など微妙に内容が違います。
厳密に言えば、それぞれの違いは下記の通りです。
・消毒は、微生物の数を減らす
・抗菌は、細菌を増やさないようにする
よく「ゴキブリや虫対策のために消毒・抗菌しておきましょう」と言われますが、基本的に虫に効果のあるものではありませんのでご注意下さい。
もしきちんと施工されたとしても、どれも目に見える効果のあるものではありません。
2.どんな作業内容なのか
消臭や抗菌サービスは、不動産屋から委託された専門業者が行います。
専門業者は、新居の鍵を借りて、入居日の1~3日前に部屋に作業に向かいます。
私は実際に消臭抗菌サービスに同行した事もあるのですが、散布機と呼ばれる、掃除機本体を大きくしたような機械で、部屋全体に薬剤を散布していました。
私が同行した時は、10分以上しっかりと作業していましたが、普段は4~5分で終わっているようです。
そして、最後に消臭効果のある薬品を数箇所に設置して終了です。
全体でも15分もかからない作業内容です。これで1万円以上すると思うと割高な気がします。
3.消臭・消毒・抗菌サービスは必要か
はっきりいって必要ありません。どうしても外せない場合以外は、無しにして貰いましょう。
理由は2点です。
①不動産業者がマージンを抜いていて、適正価格なサービスではない
仮にサービス代が15000円だとすると、不動産会社が8000円くらいはマージンとして紹介料を貰っています。
更に委託された専門業者でも、素人同然の作業員が安い薬剤を使って施工するだけなので、実際の作業費は2000円~3000円くらいでしょう。
②消臭・消毒・抗菌の効果がうすい
もしきちんと施工されていたとしても、実際に住んでからその効果を実感する事はまずないです。
目では違いは見つけられませんし、虫が出なくなるわけでもありません。
また、これは実際に薬剤を作っている会社に勤めていたお客様に聞いたのですが、この程度の価格帯で使われている薬剤に、消毒や抗菌の効果はほとんどないそうです。
4.匂いや虫が気になる人はどうすればいい?
さて、それでも匂いや虫が気になる人はどうすれば良いのでしょうか?
①自分で対策する
賃貸契約では、入居日の数日前になれば、採寸のために部屋の鍵を貸してくれたり、営業マン同行で室内に入ることができます。
その時に、一緒にバルサンを焚かせて貰ったり、消臭効果のある薬品を室内に置かせて貰えば良いでしょう。
消臭サービスを頼むよりはるかに安上がりで、効果も同等以上です。
②自分で専門業者に依頼する
入居日前だと、不動産屋指定の業者しか使えませんが、入居日以降であれば好きな業者に自由に依頼する事が出来ます。
自分で口コミ等を調べ、ちゃんとした業者に直接依頼すれば、不動産屋にマージンを抜かれる事もなく、適正価格のサービスを受けられる事でしょう。
5.まとめ
しっかりと施工されている専門業者さんには申し訳ないのですが、やはり不動産会社がマージンを抜くビジネスモデルである以上、「消臭・消毒・抗菌」は必要なサービスではありません。
営業マンに「やった方が良いですよ」と言われても、恐らく自分の売上のために言っているだけな事が多いです。(紹介すると、営業マンにも歩合がつきます)
その他にも、「入居安心パック」や「防犯セット」など、不要なサービスを勧められるケースも多いので、不要なものは不要ですとしっかり断りましょう。
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