今回は、賃貸契約の審査についてご紹介します。
前回の記事「家賃保証会社とは? 審査や料金はどうなってるの?」で、入居申し込みをした後は、まず家賃保証会社が加入審査をして、その後、オーナー審査に進むとお伝えしました。
では、その審査の内容はどうなっているのでしょうか? 審査基準や審査にかかる時間、注意点などもふまえてご紹介します。
目次
1.入居申込書の記入内容
入居申込書は、上の写真のような用紙1~3枚に記入する形になります。保証会社によって審査基準は違いますが、申込書に記入する内容はおおまかに同じです。
「契約者」
・住所、本籍、氏名、性別、生年月日、年齢、連絡先
・勤務先の名称、住所、連絡先、役職、年収、勤続年数
・家族構成や、現住所が賃貸か持ち家か、家賃はいくらかなど記入する場合もあります。
・身分証コピー
「連帯保証人」もしくは「緊急連絡先」
・多くは、3親等以内の身内の方の情報を記入します。申込書なら代筆でも可です。
・住所、本籍、氏名、性別、生年月日、年齢、続柄、連絡先
・勤務先の名称、住所、連絡先、役職、年収、勤続年数
の記入と提出が必要になります。
2.申込み後の審査日数
申し込み後の審査日数は、おおよそ1~3日程度で「結果」もしくは「不備」の連絡が来ます。これは、日本セーフティーや全保連、オリコなど、保証会社での違いはあまりありません。
また、保証会社の休業日などは審査が進まないこともあるので、長いと1週間前後かかる場合もあります。
もし1週間過ぎても不動産会社から連絡が無い場合は、一度確認の連絡をしてみた方が良いでしょう。
3.審査の流れ
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②在職確認(保険証や内定通知書など確認。勤務先に電話確認が入る場合も)
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③借主、連帯保証人の本人確認(契約者や保証人に電話確認が入る場合も)
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④結果の通知
保証会社の審査の流れとしては、おおまかに①~④の手順です。
もし審査に落ちた場合は、私達仲介業者にも落ちた理由は教えてくれません。しかし、落ちる場合はほとんどが①の書類審査の時点で落ちています。
では、その書類審査の基準はどうなっているのでしょうか?
書類審査の基準
審査基準も、オーナーや各保証会社によって違いますが、下記の点はチェックされると思って頂いてよいでしょう。
・年収
年収は、手取りではなく、税引前の総収入で記入します。
申し込んだ物件の総家賃が年収の3分の1以内であれば、審査上は適正と言えるでしょう。
例えば、家賃6万円、共益費1万円の物件であれば、
(6万円+1万円) × 12ヶ月 =84万円
で毎年84万円支払う事になります。
84万円の3倍なので、年収が252万円以上あれば適正家賃になります。
もちろん、その他の条件によって、年収が基準に満たなくても通る方もいれば、年収に問題が無くても落ちてしまう方もいらっしゃいます。
ただ、この3分の1のラインを超えていれば、収入面で落とされる事はあまりありません。
・勤務先
やはり勤務先は、大手企業や公務員のほうがスムーズに審査に通りやすいです。
逆に難しいのは、従業員が数人しかいなくて、かつホームページが無かったり事務所がないなどの、会社としてしっかりと存在しているか確認が取りづらい勤務先の場合です。
ちなみに職種や役職は、合否にあまり影響はありません。
ただ水商売関係の仕事や、正社員ではない短期の契約社員の方は、敬遠される場合もあります。
・滞納歴
滞納歴は、家賃の滞納歴だけではありません。
クレジットカードを飛ばしていたり、携帯料金を長期間滞納していたりしても、信用情報が履歴に残ってしまっています(いわゆるブラックリスト)。これも審査否決の対象になります。
しかし信用情報は、オーナーが個人で調べる事は難しく、保証会社によっても見ているリストが違うため、保証会社1社で落ちたとしても、別の保証会社では大丈夫という事もあります。
例えば、日本セーフティーという保証会社は、その会社独自の審査ですので、クレジットの滞納歴等は見られないようです。
逆にオリコやエポスなどの信販〈しんぱん〉系と呼ばれる保証会社は、滞納歴をしっかりと見てくるので、滞納歴のある方は避けた方が良いでしょう。
4.申込時の注意点・書き方のコツ
上記のように書類審査で落とされないために、申込書の記入時に注意する点がいくつかあります。
・年収は、少し多めに書く
多めに書く、というと語弊がありますが、申込書に年収を記入する際は、おおまかな概算額で書く事になります。
「実際の年収が234万円なら250万円と書く」というように四捨五入する際に少なめに記入するのでなく、多めに合わせて記入すると良いでしょう。
ただし、契約時に所得証明書の提出が必要な事が多いので、あまりに違う金額を書くとトラブルになってしまう事もあります。
・勤続年数は、組織変更や合併前も含めて書く
勤続年数は、長い方が有利です。
過去に合併や組織変更で社名が変わったり、途中で出向に行っていたりしても、同じ会社に勤めているのであれば、全てを含めた一番長い年数で書いた方が良いでしょう。
・同棲の場合でも、続柄は婚約者と書く
二人暮らしで申し込む際は、同居人の続柄は「彼女」や「友人」よりも、「婚約者」と記入した方がスムーズです。
単なる同棲だと、オーナーは、すぐに別れて出ていってしまうのではないかという懸念を持ちます。将来的に結婚を意識したお付き合いであれば、申込時から婚約者(婚約予定者)と記入した方が審査は通りやすくなります。
ちなみに、婚約した証拠というものは、提出する必要はないので、結局婚約しないままでも大丈夫です。
・契約者、連帯保証人を最も審査に通りやすい形で書く
例えば学生の方などは、「学生本人ではなく親御さんを契約者」にして、「学生本人は入居者」という扱いにした方が審査は通りやすいです。
連帯保証人に関しても、「ご高齢の両親」よりは、「現役のご兄弟」の方が審査に通りやすかったりもします。
誰を契約者にして誰を保証人にするのかも、申込みの最初の段階からしっかり不動産屋と相談して決めておきましょう。
5.まとめ
良いお部屋が見つかっても、その入居審査をしている最中はとても不安になります。
審査の流れや申込みのコツを知っているだけでも、不安も解消され、スムーズに審査に通りやすくなります。
また、申し込みの際には下記関連記事もご参考下さい。