転勤や転職で、現住居から通えない場所に職場が変わる時は、やらなければいけない事がたくさんあると思います。
そのなかでも引越し先の決定は優先度が高い事項です。
まずは引越し先が決まらないと、荷物の搬入先も決められず、転出届の取得や会社への届け出など、なにも出来ません。
知り合いもほとんどいない新たな土地に行くことは不安も大きいと思います。
しかし、引越し先のエリアを知り尽くした信頼できる不動産営業マンに出会えれば、その不安も大きく解消できます。
今回は、転勤、転職者が賃貸物件を探す時のポイントを紹介します。
目次
1.まずは、社宅規定の確認
物件を探し始める前に、「社宅の有無」と「会社の規定」を確認して下さい。
人事部など問い合わせ窓口がある場合はそちらに、無い場合は既に転勤した同僚の方などに質問してみましょう。
転勤、転職先の会社にもし社宅があれば、おそらく家賃も初期費用もかなり安いはずです。
なかには、社宅があっても個人で別にお部屋を借りたいという方もいらっしゃいますが、およそ家賃の3~5ヶ月分かかる初期費用、毎月の家賃がほぼ全額自己負担になることなどをよく比較して、検討して下さい。
個人的には、せっかく社宅があるのであれば、まずはそこに住んでみるのをおすすめします。
自分で部屋を探したり手続きするのは結構大変です。転職などの忙しい時期にするより、落ち着いてからゆっくり探す方が、良い物件が見つかる確率も上がるはずです。
それから社宅がない場合は、賃貸の契約が、「法人契約」か「個人契約」なのかも会社に確認する必要があります。
・法人(会社)契約の注意点
法人契約の場合、初期費用や家賃の補助が大きい代わりに、社宅規定に従わなければなりません。社宅規定書があれば必ず確認しましょう。
良く「お部屋の広さ(最大㎡数)」や「間取り」「家賃の上限額」が決められている場合があります。
その他にも、「マンションの構造の制限(木造はダメなど)」や、「指定の仲介業者がある法人(会社紹介の不動産屋にしか行ってはいけない」などもありますので、注意して下さい。
・個人契約の注意点
個人契約の場合は、法人契約ほど厳しい規定がある事は少ないです。
それでも、「定期借家契約(期間に定めのある契約)」は駄目だったり、「会社から何キロメートル以内に住まないといけない」などの制限がある場合がありますので、こちらも、事前に法人に確認しておきましょう。
2.エリアの選定
社宅規定の確認が済んだら、エリアの選定を行います。
転勤(転職)先の職場まで、どのような交通手段で、何分以内に着きたいのかを考えて下さい。
そして、候補の駅やエリアが決まったら、念のため「駅名(地名) + 治安」でネットで検索をしてみてください。もしネガティブな意見が多いエリアの場合は探し直した方が無難です。
住めば都という言葉もありますが、治安が良くないと言われているエリアは予め避けるべきでしょう。
不動産屋で聞いても教えてくれるのですが、成約を重視するあまり、必ずしも真実を言ってくれるとは限りません。事前に知識として調べておいた方が良いと思います。
3.不動産屋に問い合わせ
エリアの選定まで済んだら、そのエリアをメインとして扱っている不動産会社に問い合わせをします。
やはり土地勘やそのエリアでの経験が全然違うので、なるべく探すエリアの近く(もしくは沿線上)の不動産会社がおすすめです。
転勤、転職の場合は部屋探しに行くのも遠いため、一度の来店でお部屋を決めないといけない事も多いです。
不動産会社に問い合わせたら、実際の来店日までに、おすすめの物件情報を事前に貰っておきましょう。
更に、もし気になった物件があれば、仮押さえの手続きをお願いしておき、見学までに部屋がなくならないようにする事も可能です。
また、業者があわなかったり、良い物件を紹介して貰えなかった時のために、遠距離から探しに行く場合は、念のため2つの業者に来店予約を入れておくべきだと思います。
2件予約をしていることを伝えれば、手数料や初期費用面でも競合して安くしてくれるというメリットもあります。
もし1件目の不動産会社で良い物件が見つかれば、2件目は断れば良いだけですので、気軽に予約してOKです^^
4.来店の際のポイント
来店時には、事前に提案を受けていた物件の情報と、その場で新たに紹介してもらえる物件をあわせて検討します。
この時、後で別の業者にも行く事は言ってしまって良いでしょう。○時からもう1件予約してますので、それまでに終わらせて下さいと伝えれば、うまく時間を調整してくれるはずです。
そして、1件目の業者で見学が済んだ際、気に入った部屋があれば仮申込みをしておきましょう。
この時、申込書を空欄なくすべて埋めておけば、後から再度来店せずとも電話で結論を出せます。2件目の業者が終わったら最終返事をしますという形で、部屋を仮押さえしてもらいましょう。
1日程度であれば、キャンセル料なども普通かかりません。
それから、2件目の業者に行った際には、1件目で仮押さえをしている事は言ってしまっても大丈夫です。それ以上の物件を紹介しようと更に頑張ってくれるのではないでしょうか。
なお、物件が決定した際には、個人契約はもちろんですが、法人契約の場合でも、自己負担になる金額がないか確認しておいて下さい。
例えば法人契約でも、定額水道代や自転車置き場代は自己負担になりやすいです。
また、慣れていない営業マンだと、会社負担に出来る費用を個人負担で払わされてしまったりという事も有り得ます。営業マンと一緒にしっかりと規定の確認はして下さい。
5.法人契約時のお得な方法
物件が決まって申し込みの際、法人契約や会社補助があれば、契約をお得にできるコツがあります。
ただし、規定で禁止されている事もありますし、家主さんによっては断られる場合もありますので、利用される際はご注意下さい。
通常の交渉についてはこちら >賃貸契約の仲介手数料の交渉①|値切れる物件、値切れない物件について
・家賃に共益費や水道代を含める
スライドと呼ばれる方法です。「家賃の○割は会社負担」という場合に、家賃に共益費や水道代を組み込んでしまう方法です。
共益費は自己負担の会社の場合、「家賃9万円+共益費1万円」よりも、「家賃10万円+共益費0円」の方が家賃補助が多くなります。
・鍵交換代などの費用を礼金に含める
礼金は会社負担で、鍵交換代やクリーニング代が自己負担の場合、その分を礼金に含める事も可能です。
「鍵交換代2万円」「クリーニング代2万円」であれば、4万円を礼金に上乗せして、鍵交換代としては0円にする方法です。
過去には、礼金を上乗せして、その分で代わりにエアコンをつけてほしい、と仰られたお客様もいらっしゃいました。もちろん会社の許可はとっていましたが^^
・礼金をアップして、家賃を下げる
礼金を上乗せして、その分毎月の家賃を下げてもらう方法です。
例えば、礼金を5万円上乗せして毎月の家賃を2000円安くして貰う、という具合です。初期費用が会社負担の場合、毎月の家賃が下がった分だけ得をします。
大体、家賃の2年分(1000円ダウンなら2万4000円)程上乗せすれば、家主さんも交渉に応じてくれやすいです。
6.まとめ
・社宅規定の確認
・エリアの選定
・不動産屋2件に予約
・1件目で仮押さえをして、最終的に1物件に決める
遠距離でのお部屋探しの場合、なかなか何度も物件を見に行く事が出来ません。
出来る限りスムーズに条件の良いお部屋を見つけられるよう、事前に下調べをしてから探しに行く事をおすすめ致します。
もしご質問やご要望がございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせ下さいませ^^