賃貸物件には、大きく分けて
「木造(W造)」
「鉄骨造(S造)」
「鉄筋コンクリート造(RC造」
「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)」
の4種類の構造があります。
一般的には、上から順に、防音性や建築費用ともに安くなっています。木造が一番壁が薄く、鉄骨鉄筋コンクリート造が一番壁が厚いイメージですね。
今回は、各構造の違いを、特にお部屋探しに役立つ目線から紹介します。
ちなみに物件の構造は、不動産屋に聞けば教えてくれますし、図面やインターネット掲載情報にもほぼ必ず載ってますので、構造が何かは探せばすぐに分かります。
1.木造(W造)
木造は、主に戸建てや小規模アパート、小規模ハイツに用いられています。
建築費用が最も安く、工期も短い(早いと2~3ヶ月で完成します)ため、マンションと比べ、家賃が安く設定できます。
ただし、防音性や耐震性が低く、気密性も低いためエアコンの効きなどもマンションと比べ弱くなります。
賃貸に住まれると、特に周りからの音、つまり防音性が気になると思います。
木造ですと、上下左右に部屋が隣接していればもちろん、離れた部屋の扉の開閉音すら聞こえる事もあります。
見学の際にもし可能であれば、隣の部屋などから物音をたててもらい、どれくらい響くか確認した方が良いでしょう。
とはいえ、最近は、昔に比べると木造でも多少は防音性の高い造りを目指しています(古い木造物件は、それだけでやめた方がいいレベルです)。
家賃を抑えて新しい綺麗な家に住めるので、音をあまり気にしない方にとっては、選択肢として有りだと思います。
2.鉄骨造(S造)
鉄骨造は、写真のようなハイツや、一部のマンション、オフィスビルなどに用いられる構造です。
木造よりは防音性、耐震性、建築費用ともに高くなりますが、鉄筋コンクリート造程ではありません。コンクリートを使うよりも、間取りや形を自由に設計しやすいのはメリットとなります。
防音性が高いとはいえませんが、ハウスメーカー施工のハイツなどは、壁や床に防音性の素材を入れており、特に新しい物件ほど音が響きにくいようです。
鉄骨造でも、見学時にどのくらい音が響くのか、隣室からコンコンと壁を叩いて貰い、確認しておくと良いでしょう。
ちなみに鉄骨造のなかには、軽量鉄骨造、重量鉄骨造という造りもありますが、使っている鉄骨の太さの違いです。
重量鉄骨造の方がしっかりしています。
3.鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、主にマンションに用いられます。
柱や壁にコンクリートが使われているため、防音性や機密性が高いです。あわせて、建築費用も高いため、他の構造と比較して家賃は高めに設定されます。
しかし、多少の家賃の違いであれば、私はなるべく鉄筋コンクリート造をおすすめします。
見学時も、コンクリートが使われている側の壁を叩けば、ほとんどコンコンといわず、音が響かない感覚を味わえます。
ただ、賃貸マンションの多くは、交互にコンクリートの壁を使うため、左隣がコンクリートの壁だったら、反対側は普通の壁である事が多いです。(そのため、片側の部屋からの音は比較的響きやすくなります)
マンションの場合は、念のため壁は両サイドともに調べておくべきでしょう。
とはいえ、木造、鉄骨造等とやはり違います。音に敏感な方や、過去に騒音トラブルにあった方は、必ず鉄筋コンクリート造に絞って探して下さい。
欲を言えば、鉄筋コンクリート造で、なおかつ両側に隣接した部屋のない独立部屋だと防音的には完璧ですね。
4.鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造は、バブル期には多く使われていたようです。今では一部の高層ビルやタワーマンションに用いられるくらいで、賃貸物件で見かけることは少なめだと思います。
鉄骨の良さと鉄筋コンクリートの良さを併せ持っていると言われていますが、住む側としては、鉄筋コンクリート造と防音性なども大差ありません。
注意しないといけないのは、物件が鉄骨鉄筋コンクリート造と表記されていても、1,2階部分だけ鉄筋コンクリート造で、上層階は全て鉄骨造、というマンションもあることです。
居住階はただの鉄骨造なので、防音性は鉄骨造とあまり変わりません。
鉄骨鉄筋コンクリート造が一番良い、と考えるのではなく、「自分の住む部屋がどんな構造になっているか」が最も大事ということです。
5.まとめ
お部屋探しの際に、物件の構造を確認する事は非常に大事です。何も知らずに入居して、騒音に悩まされる、という方も多いのが現状です。
音や気密性を特に気にされない方は、木造でも大丈夫ですが、少しでも気になる方は鉄骨造以上、できれば鉄筋コンクリート造がおすすめです。
ただし、田舎だと逆に、鉄筋コンクリート造の物件がほとんど無かったりもします。
また、古い鉄筋コンクリート造のマンションよりは、新しい鉄骨造のハイツの方が快適に暮らせるかもしれません。
それぞれの構造のメリット・デメリットを把握しつつ、ご自身の予算、希望条件と相談してぴったりの物件を見つけて下さい。
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