不動産営業マンが、事故物件を探して実際に住んだ体験記 PART1

お部屋の紹介をしていると、お客様から「事故物件」についてよくご質問を頂きます。

「ほんとにあるの?」や「実際住んだらどうなの?」などと聞かれた際、私は自分の実体験をお話ししています。

私は、不動産業に就く前の22歳頃、自ら事故物件を探し、格安の家賃でそこに住んでいた事があります。

思い返してみると、家賃は非常にお得でしたが、心霊現象的な事もおきたりしました。

今回は、お客様にもよくお話させていただく、そんなエピソードを詳しくご紹介したいと思います。

実際に住んでからの心霊体験などの後半記事はこちら >PART2

1.よし、都会に出よう

当時、私は田舎に住んでいました。コンビニも無く、スーパーも1つしかないようなそこそこの田舎でした。

ある日、仲の良い友人と遊んでいた際、友人が「都会に出たい」と言い出しました。私も、同じく都会に住みたい憧れがあったので、「よし、じゃ出よう」と半ば思いつきの感じで引っ越す事になったのです。

「二人でルームシェアすれば、家賃も半分だ!」とただそれだけの理由で、非常に安易に決断した事を覚えています。

2.難航する部屋探し

じゃあ、男2人で住める部屋を探そうと、私達の物件探しが始まりました。

当時の部屋探しの条件は、

  • とりあえず都会ならどこでも良い
  • 予算は二人で5~6万くらい。初期費用も安いほうが良い。
  • 部屋は2つ、リビングも欲しいから2LDK以上。
  • 男二人のルームシェア可の物件。

と、不動産屋をしてる今見たら、なんてふざけた条件だろうと思うような内容でした。

中心部の2LDKの相場は古くても8~10万くらいはしますし、初期費用も普通は30~40万くらいはかかります。さらに、ルームシェア可の物件は、全体の2割くらいしかありません。(特に男二人だと、騒いだり汚すからとオーナーに嫌がられます)

実際、二人で入った不動産屋には「そんな物件ありません」と、探してくれもせず、体よく追い出されたりしました。

さらに、ネットで情報を探しても、良さそうな物件は出てきませんし、そもそも「○○駅まで徒歩5分」と書かれていても、そこが都会なのかや、どこにあるのかも分かりません。

そんな部屋探しが難航する中、友人の兄から、事故物件の存在を聞いたのです。

3.事故物件、良いかも?

当時の私は、事故物件について少し調べてみて、部屋で人が死んでた代わりに家賃が安い部屋、ぐらいの認識でいました。

さらに調べてみると、事故物件界?では、UR賃貸住宅の事故物件が人気らしいという情報が載っていました。

UR都市機構は、もともとの公団住宅を管理している独立行政法人です。75万戸を管理していて、日本最大の大家さんとも呼ばれているそうです。

このURが、毎月初めに自社の事故物件情報を集めて、特別募集住宅として募集しているようなのです。

気になる条件も、家賃が2年間(物件によっては1年間)半額、さらにUR賃貸は、もともと礼金や仲介手数料も無料なので、非常にお得そうでした。

これは一度話を聞きに行ってみようと、次の月の初めに、二人でURに行ってみる事にしました。

URの賃貸マンションイメージ(規模が大きめのマンションが多いです)

4.事故物件は大人気!?

URの店舗に事前に聞いてみると、事故物件は全国共通の先着順で、月初めは混み合うと言われました。

事故物件目当てで、さすがに混みはしないとは思ったのですが、念のため、朝9時オープンのお店に、朝8時から並ぶことにしました。

事故物件を借りるために朝から不動産屋に並ぶなんて、今では考えられないですね。

しかし結果は、まさかの2番目(笑)

先客がいらっしゃいました。更にその後にも並ぶ方が現れ、オープンの頃には10名近くの列になっていました。

UR賃貸の事故物件、本当に人気でした。

後から聞くと、家賃が安いのは最大2年間までなので、その周期でまた次の事故物件に引っ越し続ける常連さんもいらっしゃるとか。

なるほど、まあ初期費用も安いので、不動産屋目線でも確かにお得といえます。

5.いざ、部屋探し

さて、お店がオープンしたら実際に部屋を探すのですが、ライバルも多く、仮押さえは先着順と言われたため、若干焦ります。

担当の方が、特別募集住宅(事故物件)のリストを持ってきてくれました。

おもしろかったのが、「住所」「間取り」「元々の家賃」などの他に、「死因」の欄がありました。

立地や家賃の他に、死因でも物件を比較できるようです。斬新。

ただ確かに、「事故死」よりも、「他殺」や「自殺」は嫌な気がします。

担当の方に説明を聞きながらリストを探していると、候補が2つに絞られてきました。

物件A

●都心ど真ん中の好立地。駅まで徒歩3分

●当時、築8年くらいの2LDK

●家賃14万円が半額の7万円!

●死因・・・自殺

物件B

●都心まで電車で1本。駅まで徒歩1分

●築20年の3DK

●家賃8万円が半額の4万円!

●死因・・・溺死

これは二人でかなり悩みました。

正直、事故物件という事をのぞけば、どちらもかなり好条件のマンションです。

都会ど真ん中の綺麗なマンションに7万円で住むか、少し離れて(でも電車で都心まで10分くらい)3DKの広々したマンションにたった4万円で住むか。

しかもルームシェアなので、一人あたりの負担額はそのさらに半分の3万5千円か、2万円!(実際は共益費8000円があるので、一人あたり +4千円ですが)

さんざん物件を探し続けた僕らには、どちらもとても魅力的です。

死因については、詳しく聞いてみたのですが、あとは亡くなられた場所までしか教えて頂けませんでした。(溺死は、やはりお風呂場で亡くなったらしい)

さて、思った以上に長くなりましたので、僕らがどちらのマンションを選んだのか、

続きは「不動産営業マンが、事故物件を探して実際に住んだ体験記 PART2」でご紹介させて頂いております。

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